現場の「厳しい状況」聞く 国会・事故調 東電・武藤顧問を招致

2012年3月22日

国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(委員長=黒川清・元日本学術会議会長)が14日、第6回会合を参院議員会館講堂で開き、昨年3月の事故発生時、同社会長および社長が東京本社に不在の中、副社長・原子力・立地本部長として原子力事故の対応に当った武藤栄・同社顧問に参考人としてヒアリングを行った(=写真)。

武藤氏は、同社の防災業務計画では、原子力緊急時対策本部をサイトと本社に作ることになっており、サイトは発電所長が本部長で、本社は社長が本部長。社長が不在だったため、副社長の中から選ぶことになっている、と説明した。

新潟県中越沖地震の経験から、本店から現場に経営層が出向いて地元対応をすることにしており、「地元への説明をするのが自分の仕事だと思っていた」と述べ、当日(昨年3月11日)の15時30分ごろには本社を出て、江東区・新木場のヘリポートに向かったが、車が渋滞し、福島第二原子力発電所には18時頃に到着。この間に携帯電話で発電所の電源がなくなったことを聞いた、とした。

津波の襲来の後、「状況はたいへん厳しい状況となった。非常用ディーゼル発電機が使えなくなり、直流電源も使えなくなった。通信手段もなかった」とし、唯一、本店と福島第一はテレビ会議で結んでいたと説明。

サイト内は、夜には「真っ暗」になり、オフサイトセンターも電源がなくて機能していないと聞いた。その夜、大熊町長、次いで双葉町長に状況を説明した、とした。

<後略>

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