信頼回復に向け全社的に 東京電力 原子力改革プラン実行へ

2013年4月2日

東京電力は3月29日、福島第一原子力発電所事故を総括し「原子力安全改革プラン」をまとめた。安全文化を社内に浸透させるため原子力安全の監視義務を負う取締役会の意思決定を補佐する「原子力安全監視室」を設置するほか、リスクコミュニケーターという専門職を置いて事故時に社会への説明を適切に行うなど、信頼回復への全社的な態勢強化をはかる。


改革プランのなかで東京電力は、技術面での原因分析とともに、事故の備えが不足した組織内に内在する問題を明らかにし、解決するため、「従来の安全対策に対する過信とおごりを一掃し、当社組織内にあった問題を明らかにして、安全への取組を根底から改革する」とした。また事故の背後要因に、「安全意識」、「技術力」、「対話力」の不足を問題点としている。さらに、「安全は既に確立されたものと思い込み、稼働率などを重要な経営課題と認識した結果、事故の備えが不足」し、これを助長する構造的な問題として「負の連鎖」が原子力部門に定着していたことを指摘。このほか、事故当時の経営層全体に、原子力発電に関わる企業としてのリスク管理に甘さがあったとして、今後は、原子力安全リスクの管理状況の監視・監督機能を改善・強化に取り組むとした。


<後略>