第59回 原産年次大会「会長挨拶」
一般社団法人 日本原子力産業協会
場所:東京国際フォーラム
日本原子力産業協会会長の三村でございます。第59回原産年次大会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
はじめに、本大会を共催いただく経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)のマグウッド事務局長をはじめ、お忙しい中、国内外からご登壇いただく皆さま、そして、本大会にご参加のすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。

お陰様で今回の参加者は、過去最高の848名、そのうち若手、これは企業に勤めている方ですけれども155名、学生も136名ということで、若手比率が4割にも近くなっているという誠に今回のテーマにふさわしい参加者をいただきました。
さて、足元の中東情勢の緊迫化は、エネルギー供給リスクが顕在化した際の社会・経済への影響の大きさを改めて浮き彫りに致しました。原子力は国内におよそ3年分の燃料を保有するなど、高い安定供給性と自律性を有する準国産エネルギーでございます。天候にも左右されませんし、脱炭素電源でもございます。欧州においても、「原子力からの転換は戦略的誤りであった」との認識が示され、「原子力三倍化宣言」に象徴されるように原子力発電、新増設の動きは一層加速化しております。
一方、国内に目を転じますと、間もなく営業運転を再開する東京電力柏崎刈羽6号機あるいは、来年の再稼働を目指す北海道電力泊3号機など、再稼働に向けた動きが進展しております。また、新規建設に関しましては、関西電力美浜発電所後継機の自主的な現地調査の再開、人材確保に向けた採用拡大など、具体的な取り組みが広がっておりますが、そのためにも事業環境の整備が急務となっています。
こうした中、本大会は「原子力の最大限活用を支える人材戦略」を基調テーマに掲げました。なぜ今、人材に焦点を当てるのか。それは、人材の確保と育成こそが、今後の原子力政策の実現に向けた最大のボトルネックとなり得るとの強い危機感があるからです。
その背景には、人口減少が進み、働き手不足が見込まれる中、原子力産業では、革新炉の開発と設置、既設炉の長期運転、廃炉、バックエンドなど、担うべき仕事が拡大しているという構造があります。
本大会では、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)並びに国内外の専門家の知見と経験を共有しながら、この課題に真正面から向かい、人材確保・育成に向けた課題と対応の方向性についての議論を進めてまいります。
本日午後のセッション1では、フランス、米国、日本の知見を踏まえ、原子力産業が直面する人材課題と展望を多角的に議論していただきます。また、セッション2では、AI、DX、自動化といった他産業の先進事例も参照しながら、原子力分野における「変革の必然」と、今取るべき次の一手を考えます。
明日のセッション3では、福島第一原子力発電所における廃炉への活動実績と今後の計画、将来の廃炉を支える人材育成・確保等の取り組みについてもあわせて紹介をいただき、将来を担う若手人材の原子力に対する期待を共有する機会といたします。
そして最後のセッション4は、人材問題に深い国際的知見を有する経済協力開発機構/原子力機関(OECD/ NEA)との共催セッションとして、国際的視座から原子力人材課題を捉え、技術・技能職を含め人材確保のあり方と国際連携について議論を深めてまいります。
最後になりますけれども、本大会が皆様にとって実り多い場となることを祈念申し上げ、私からの開会の挨拶とさせていただきます。
ご清聴、ありがとうございました。
以上
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