福島第一原子力発電所事故から10年を迎えるにあたって

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

2011年3月に発生した東日本大震災および東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故からまもなく10年を迎えます。被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。事故発生後の混乱から今日に至る長い道のりを振り返ると、これまでの福島の復興・再生へ向けた多くの方々のご尽力やご苦労に対し、改めて深い敬意と感謝の念を強くします。

震災から10年を迎え、常磐線全線での運転再開、大熊町、双葉町などで避難指示区域の一部解除が実現するなど復興は着実に進展しており、今後は、医療や教育、公共インフラといった生活環境の整備や産業の再生などの取り組みの加速が期待されます。
当協会は、「福島の復興なくして日本の原子力の将来は無い」との信念のもと、会員企業・団体と共に福島の復興支援に努めてまいりました。今後も、国内外の皆さまに「ふくしまの今」について正しくご理解いただけるような様々な情報発信を行うなど、地元に寄り添った支援を継続してまいります。

福島第一原子力発電所の廃炉に目を転じると、作業環境の整備、使用済燃料の取り出しなどは大きく進展し、燃料デブリの取り出しに向けた準備や研究開発が進められています。今後も世界の英知を結集して、安全を最優先に廃炉を着実に進めていくことが重要です。
サイト内のタンクに貯蔵している多核種除去設備等処理水の処分方法については専門家や関係者のご意見を踏まえながら検討が進められていますが、国内外の不安の声を真摯に受け止め、科学的根拠に基づく丁寧な説明を重ね、不安解消に努めていかなければなりません。
当協会は引き続き、国際原子力機関(IAEA)をはじめとする海外関係機関や関係国の原子力産業界と連携し、国内外へ向けて正確な情報提供、風評払拭に努めてまいります。

私たち原子力産業界は福島第一原子力発電所事故の反省と教訓をしっかりと受け止め、二度とこのような事故を起こさないとの固い誓いのもと、たゆまぬ安全性向上に取り組んでまいります。そのうえで、原子力の持つ環境適合性、経済性、供給安定性を活かし日本はもとより世界に貢献することにより、皆さまに信頼される原子力を目指してまいります。

以 上

 
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Web特集『ふくしまの今 ~復興と廃炉、10年の歩み~』はこちらからご覧いただけます。

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