2021年4月14日総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 第23回会合での新井理事長発表内容

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

  当協会は、2021年4月14日開催の原子力小委員会において、「原子力産業界の現状」と題して、以下の観点からプレゼンを行いました。

・日本がカーボンニュートラルを達成するためには、将来にわたり一定規模で原子力を使い続けていかなければならない。
・原子力発電は多くの企業によって支えらえている産業であり、これらの企業が原子力関連事業を継続していくためにも、エネルギー政策において原子力発電がしっかりと位置付けられる必要がある。
・可能な限り依存度を低減するということなく、また新設・リプレースも考慮する必要がある。

【原子力産業界の現状】
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/genshiryoku/pdf/023_06_00.pdf
(原子力小委員会第23回会合)

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・原子力発電事業のライフサイクルは長く、それぞれのステージで多くの業種、企業が貢献。
・全体のおおむねの規模:年間売上高約1.7兆円、従事者数約8万人、うち各発電所を支える地域の工事会社従事者数約3万3,000人。

<ページ2>
・原子力主要6メーカーの原子力部門への採用人数の経年推移(グラフ左)。
・製造業等の原子力研究開発費の経年推移(グラフ右)。
・ともに震災以降減少し、企業の原子力部門は人材確保、技術開発の面で厳しい状況にある。

<ページ3>
・プラントメーカー3社における原子力部門の建設プロジェクト従事経験者の割合。
・半数以上いた経験者が3年後には半数を切り、年代別割合では若い世代の経験者割合がもともと少なかったところが3年後にさらに減少。
・建設ブランクが長期化すると、発電所建設の技術・技能の喪失が懸念される。

<ページ4>
・アンケート調査では、原子力発電所の長期停止による影響について、「技術力の維持・継承が困難」や「売上の減少」がここ6年間継続して最も多く、半数以上の企業が挙げている(グラフ左)。
・技術面での具体的な影響としては、「OJT機会の減少」が最も多く、ここ6年間継続して8割以上の企業が挙げている(グラフ右)。

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・具体的な受注がないと、原子力品質に応えてきた企業がサプライチェーンから離脱するという懸念がある。

当協会は、毎年の原子力発電に係る産業動向調査等により、引き続き原子力産業界の実態を把握してまいります。また、原子力バイヤーズガイドを作成し国際交流の場で配布しており、海外ビジネスの機会獲得支援として今後も工夫を重ねてまいります。

以 上

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