第26回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における新井理事長発言内容

2022年5月10日

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

2022年5月10日開催の第26回原子力小委員会において、核燃料サイクルの確立および最終処分に関する取組について、新井理事長より専門委員として以下の発言を行いました

1.一点目として、原子力発電所を含めた原子燃料サイクルの重要性について申し上げます。

エネルギーは、その重要性がゆえにいつの時代でも国際紛争の火種にもなってきた極めて戦略性の高いものであり、エネルギー政策の在り方は国の命運を左右すると言っても過言ではありません。

わが国は、S+3Eを基本的視点として、エネルギーセキュリティ、資源の有効利用、放射性廃棄物の減容化・有害度低減などの観点から原子燃料サイクル路線を選択し、それを前提として原子力発電が導入され今日に至っています。従って、わが国では原子力発電所の運転は原子燃料サイクルと一体不可分であり、そのことを前提とした地元のご理解を得て行われているものです。

また、わが国は非核兵器国の中で大規模再処理が国際的に認められた唯一の国であり、我々世代には、この国民の財産とも言える貴重な権利を核不拡散の精神とともに次世代へ大切に受け継いでいく責任があることも忘れてはなりません。

さて、国際エネルギー機関(IEA)や国際原子力機関(IAEA)など主要な国際機関によれば、地球規模でのカーボンニュートラルを実現するために原子力は必要不可欠なエネルギーであると評価されています。さらに、地政学的リスクが顕在化している今日、多くの国においてエネルギーセキュリティの観点からもその評価はますます高まっています。今後、多くの国が原子力の活用を拡大しウラン需要が増大すると想定される中、わが国の原子燃料サイクル政策の意義はより一層大きくなっています。

これらのことから、六ヶ所再処理工場、MOX燃料工場、使用済燃料中間貯蔵施設、高レベル放射性廃棄物地層処分場等は、いずれもエネルギーの安全安定確保に資する重要施設であり将来世代にも大きな意味のある事業です。各施設の地元の皆様には、日々進捗する事業へのご理解とご協力に深く感謝を申し上げると同時に、文献調査にご協力頂いている寿都町、神恵内村の皆さま方に感謝申し上げたいと思います。

2.二点目として、国民理解の促進について申し上げます。

原子力産業協会では、国民理解の促進の一環として、全国各地の大学や高等専門学校に講師を派遣し出前講座を行っています。原子燃料サイクルや高レベル放射性廃棄物処分等の意義や必要性も含め、原子力発電全般について若い世代に自分事として捉えてもらうよう努めています。授業の前後で比較すると、原子力利用への理解度は大きく向上します。こういった取り組みは産業界の各団体が行って成果を上げており、継続して進めてまいりたいと考えます。

また、原子力発電は技術力で作り出すエネルギーとしてSDGsの17目標のいくつにも適う事業と言われますが、原子燃料のリサイクルによる資源の有効利用や放射性廃棄物の減容は、SDGsに欠かせない概念ともいえる「サーキュラーエコノミー、循環経済」にもマッチしています。こういった視点からも、情報発信していきたいと考えています。

以上

<参考> ・第26回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(METI/経済産業省)

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