島根原子力発電所2号機再稼働の地元同意に寄せて

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗

6月2日、中国電力(株)島根原子力発電所2号機(以下、島根2号機沸騰水型炉:BWR、出力82万kW)の再稼働について、丸山達也島根県知事は、島根県議会の正式同意の判断を踏まえ再稼働に同意すると表明された。

地元自治体の再稼働への同意は、沸騰水型軽水炉(BWR)では東北電力(株)女川原子力発電所2号機に続いて2番目となった。

 

中国電力は、東日本大震災以降の原子力発電所の停止に伴い、火力発電所の高稼働により供給力を確保してきたが、現下の厳しいエネルギー情勢において、原子力発電所の再稼働が安定供給に及ぼす効果は大きい。

中国電力によると、島根2号機の稼働によって、燃料費減少額は年間400億円程度が見込まれ、燃料価格の変動による影響を受けにくくなり、電気料金の安定化に寄与する。CO2排出量は年間約260万トン削減できる見込みであり、中国電力全体のCO₂排出量の約1割の削減が可能と試算されている。経済性、環境への適合の観点からも同発電所の再稼働は大きな意義を有する。

このように、島根2号機の再稼働は我が国のS+3E(安全確保を大前提に、安定供給、経済性、環境への適合を同時に達成すること)に大きく貢献するものである。

島根2号機では、安全対策工事を2022年度中に完了する予定としている。中国電力の皆様には、引き続き、安全第一で安全対策工事を着実に進めていただくとともに、地元の皆さまへの丁寧な説明・情報提供をお願いしたい。

以上

<参考>

〇島根2号機の設備概要(中国電力HP)

https://www.energia.co.jp/atom/atom6-2.html

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