第45回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における増井理事長発言内容
一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 増井 秀企
2025年6月24日開催の第45回原子力小委員会において、増井理事長より専門委員として以下の発言を行いました。
日本原子力産業協会の増井でございます。三点申し上げます。
まず、原子力発電の見通し・将来像についてです。原子力を持続的・計画的に活用していくには「どれだけの容量が、いつまでに必要か」という長期にわたる時間軸と開発規模の明示が不可欠です。
2045年以降、原子力発電の設備容量は大きく減っていきます。将来の電源構成において一定の発電量を維持していくためには、既設プラントの運転終了前に新設プラントに置き換えていかなければなりません。
長期見通しの作成にあたっては、十分な数の建設経験者がおいでになるうちに建設を開始すること、その後も空白期間を作らず適切な間隔で一定量の建設を継続することが重要です。これにより、サプライチェーン維持や人材育成のみならず、建設期間の短縮や建設コストの低減というフリート効果も期待できます。
第二に、資金調達・投資回収制度の検討についてです。
長期にわたる時間軸と開発規模を明示したとしても、その実現のためには原子力事業の環境整備が要件となります。事業期間の長さや投資額の大きさなどの原子力発電の事業特性を踏まえ、資金調達・投資回収に関するさらなる検討が必要です。
これら制度の整備は、最初の1基の建設投資決定に必要となります。制度の早期運用に向けて、事務局には、担当委員会事務局との連携をお願いします。
第三に、サプライチェーンの課題についてです。
原子力発電所を「On Time, On Budget」で建設する成功の鍵の一つはサプライチェーン維持・強化です。産業界はこの課題に取組んでいますが、実際の受注までにはまだ時間がかかります。
当協会も協力している原子力サプライチェーンプラットフォームについては、2023年の発足以来、参加企業が年々増加しております。事業運営に有用な情報提供、企業間での良好事例の共有、海外展開の検討などで成果が上がってきています。今後も政府と産業界が連携して継続的に取り組むことが重要であると考えます。
以上
<参考>第45回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(METI/経済産業省)
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