第46回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会における増井理事長発言内容
一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 増井 秀企
2025年10月1日開催の第46回原子力小委員会において、増井理事長より専門委員として以下の発言を行いました。
日本原子力産業協会の増井でございます。3点申し上げます。
1点目は電事連のご説明(原子力発電の建て替え規模の試算)についてです。
将来の原子力発電建て替えの規模感が示されたこの結果は、電力需要見通しと原子力比率から試算されており、穏当と受け止めております。
国が原子力発電の見通し・将来像を策定するに当たっては、産業界が未来への希望と長期的な展望が持てるよう「中期の見通し」と「長期の見通し」の2段階で提示することが、適切と考えます。
2点目は三菱総研のご説明(複数基建設の建設コストやリードタイムの影響調査)についてです。
大変よく調べられており勉強になりました。一方で「複数基の建設による工期短縮の傾向は確認されなかった」という点には、日本の例に照らしては少々しっくりきません。
「建設開始から送電開始までの期間」を調査されております。建設期間の短縮効果を評価するのであれば、立地による差異の排除、起動試験の影響の考慮の観点から「コンクリート打設から営業運転開始までの期間」を比較するのが適切と考えます。
また、炉型毎に建設期間を比較されておりますが、建設における電力会社の役割を考慮すれば、電力会社や発電所毎に評価することにより、何等かの傾向が見えてくるかもしれません。
3点目は電工会のご説明(原子力産業の基盤維持・強化の取組み)についてです。
「7割近くの企業が、十分な数の人材を採用できていない」という原産協会の調査結果を引用頂いております。日本の人口が急速に減少していくなか、各産業における人材確保の動きが今後一層活発になると考えられます。このため、①原子力産業への就業確保 ②産業内での人材定着 ③シニアの活用 など総合的な対策が必要です。また、「限られた人員で同等の成果を維持する」つまり生産性を上げるため、省人化技術を積極的に活用することも重要です。これらの課題については、産官学の協力が必須であり、原産協会も当事者意識をもってしっかり取り組んでまいります。
以上
<参考>
第46回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(METI/経済産業省)
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