北朝鮮の核実験に強く抗議する

2016年1月8日

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 高橋 明男

2016年1月6日、北朝鮮は4回目となる核実験、今回は水爆実験を実施したとの発表を行った。これは核廃絶に向け核軍縮と核不拡散への取り組みを推進する国際社会に対する挑戦であり、北東アジア地域にとどまらず世界の平和と安定に大きな脅威をもたらす暴挙として強く非難されるべきである。国際社会は結束して北朝鮮の暴走に歯止めをかけ、核開発計画の放棄を迫るべきである。

現在、世界は発展途上国を中心とした人口の増加と経済発展により、増大するエネルギー需要への対応や温室効果ガスの排出量削減などの課題に直面している。昨年12月のCOP21で採択されたパリ協定では、将来に向けての大気の平均温度上昇について高い目標設定が合意された。この目標達成のためには、再生可能エネルギーの導入拡大と更なる省エネの徹底に加えて、安全確保を大前提に、大規模で安定した電力供給が可能で発電時にCO2を排出しないという優れた特性を持つ原子力発電の利用拡大が欠かせない。

原子力の平和利用を進めるにあたっては、3S(核不拡散、原子力安全、核セキュリティ)の確保が大前提である。わが国は唯一の被爆国としての悲惨な経験を踏まえ、原子力開発の当初から平和利用を旨とし、核不拡散の強化に向け世界をリードしてきた歴史がある。近年、原子力発電の導入拡大を計画している諸外国からわが国の技術力に強い期待が示されており、官民挙げてこれに応えるべく努力してきているが、協力に際してはこの方針を堅持することが前提であることは言うまでもない。

当協会は、将来世代にわたり人類の持続的な発展を図るために、原子力発電がエネルギーの安定供給と地球温暖化対策として不可欠なエネルギー源であること、そして原子力技術の利用拡大にあたっては3Sの確保が大前提であり、とりわけ核不拡散体制の維持強化が重要であることを引き続き粘り強く訴えていく所存である。

以 上

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