国際原子力機関(IAEA)との連携による処理水処分への理解に向けて

2020年3月4日

一般社団法人 日本原子力産業協会
理事長 高橋 明男

 2月24日から28日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシー新事務局長が訪日され、安倍首相をはじめとする政府要人と会談を行い、東京電力福島第一原子力発電所等を視察した。

 日本政府はIAEAに、福島第一原子力発電所の処理水対策について、1月末に公表した「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS 小委員会)報告書」1のレビューを依頼している。今回の訪日中にグロッシー事務局長は、「ALPS 小委員会の報告書は包括的で科学的分析に基づくものであり、水蒸気放出または海洋放出という案は技術的に実行可能で国際的慣行に合致している」との認識を示した。あわせて、グロッシー事務局長は、IAEAは放射線モニタリングなど処理水処分にあたって支援を行う用意があると表明した。2

 日本政府および関係者は、IAEAと密接に連携し、科学的合理性と透明性を確保することによって、処理水の処分による風評被害の防止や抑制に取り組み、漁業関係者をはじめ福島県および近隣県の住民の方々のご理解を得られるよう努めなくてはならない。関係者が一丸となって協力し、処理水への対応が前進することを期待したい。

 原産協会としても、処理水処分への理解に向けて、国内はもとより、海外関係機関との協力覚書や東アジア原子力フォーラム3などによる連携を通じて、近隣諸国をはじめ広く海外に正確な情報を提供していきたい。

以 上

                                            
1 経済産業省「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書について」
https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/osensuitaisaku/committtee/takakusyu/report.html
2 IAEA ウェブサイト ”IAEA Director General Sees Progress in Fukushima Decommissioning Work”
https://www.iaea.org/newscenter/news/iaea-director-general-sees-progress-in-fukushima-decommissioning-work
3 CNEA(中国核能行業協会)、KAIF(韓国原子力産業会議)、TNA(台湾核能級産業発展協会)、JAIF(日本原子力産業協会)で構成。

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