第10回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 革新炉ワーキンググループにおける大野専門委員発言内容
一般社団法人日本原子力産業協会
2025年12月11日開催の第10回革新炉ワーキンググループにおいて、当協会大野課長より専門委員として以下の発言を行いました。
2点申し上げます。
1点目は「技術・工程」についてです。
高速炉プロジェクトの推進は、今後の高速炉開発に伴う関係産業全体の実力涵養に寄与するものとして、大きな期待を寄せております。資料2に概念設計の全体工程をご提示頂いておりますが、製作・建設までの全体工程もお示し頂けると産業界も活気付くため、是非お願いしたいと思います。
また高温ガス炉についても、実用化に向けた技術開発の一層の進展を期待しております。資料3にお示し頂いている高温ガス炉の開発スケジュールでは、2030年から製作・建設を開始することになっていますが、例えば、環境影響評価の開始時期や原子炉設置許可申請時期等の手続きも含めた、ロードマップとして提示頂けると関係者が共通認識を持って、備えることが可能になると考えます。
2点目は人材面、教育面についてです。
実証炉開発・建設は、わが国の原子力人材基盤を再構築する重要な契機になると考えます。産業界では若手人材の確保に課題を抱える企業も多く、将来の担い手育成は共通の関心事項です。その意味で、具体的な実証プロジェクトが進むことは、若い世代に“将来のキャリアを描ける材料”を提供できる点で大きな意義があると考えます。
技術の内容や開発の意義、事業の進捗などを、次世代層に分かりやすくアピールしていくことは重要です。そのようなアピールは、国民の理解にもつながるものかと思います。
また実証炉の開発プロセスは、若手人材が実際の現場で学び、参画できる貴重な機会となります。現場に根ざした学びの機会が広がることは、長期的に原子力技術を支える人材確保にも寄与するものと認識しています。
以上
<参考>
第10回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 革新炉ワーキンググループ
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