第27回 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会における上田委員発言内容
一般社団法人日本原子力産業協会
2025年11月12日開催の第27回原子力研究開発・基盤・人材作業部会において、当協会上田課長より委員として以下の発言を行いました。
(1)新試験研究炉の計画進捗状況
新試験研究炉については、中性子利用を通じた人材育成と研究基盤の強化に資する重要なプロジェクトと認識しております。物理・材料・医療など幅広い分野を対象に、大学・研究機関や産業界が連携し、若手の技術者・研究者が設計・建設・試験といった各段階に関わる仕組みづくりを期待しています。
また、将来的には、新試験研究炉の取組みや利用事例、地元連携や人材育成の成果などを積極的に発信し、情報発信の拠点として、原子力・放射線利用への理解と関心を高めることを期待しております。
(2)国際原子力人材育成イニシアティブ事業の中間評価
本事業は、大学・研究機関・産業界が連携して、次世代の原子力を担う人材を育てるものであり、その継続の必要性を支持いたします。
第25回作業部会では、当方から「工業高校などとの連携強化や対象拡大」について意見を申し上げました。今回の中間評価では、資料9ページにあるように、「原子力の研究開発や利用を将来にわたって続けていくためには、電気・電子、機械など他分野の学生や高校生以下にも対象を広げる必要がある」と明記いただいており、この方向性は今後の人材育成を進めるうえで極めて重要だと考えております。
少子化の進行により技術者や技能者の確保が一層難しくなる中、高校生以下の若い世代から原子力に関心を持ってもらうことが欠かせません。この点は、当協会の会員企業からも強く要望が寄せられております。今後は、ANECの活動を通じて、高校・高専段階の教育をさらに充実させ、将来にわたって人材を育て続ける仕組みへと発展することを期待しております。
当協会では、「出前講座」の制度を設け、所属講師3名が大学や高専を訪問し、授業の一コマをお借りして、講義を行っています。講義のテーマは原子力に限らず、エネルギー問題全般にわたり、学生の皆さんが「自ら考える力」を育むことを大切にしています。受講後には、エネルギー問題だけでなく、原子力の必要性に関する認知がとても上がり、大変効果が高い取組みだと思っています。今後も、より多くの若い世代に向けて理解を広げてまいりますので、国をはじめ関係機関の皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
以 上
<参考>
*https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/shiryo/1422932_00039.htm
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