第29回 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会原子力科学技術委員会 核不拡散・核セキュリティ作業部会における上田委員発言内容

2025年12月9日

一般社団法人日本原子力産業協会

(1)核不拡散・核セキュリティに関する最近の取組について

本年11月、ウィーン以外での初めての開催となるINSEN年次会合が水戸で開催され、私自身も「日本向けセッション」に出席いたしました。その場では、核セキュリティ教育の国際的な動向として、非工学系の学生にも伝わる教材開発、ジェンダー・多様性の確保、若手人材の国際ネットワーク形成の必要性など、多くの示唆を得ました。

また同日、JAEA・ISCNの実習フィールドを視察し、赤外線・マイクロ波センサーや模擬監視室などを用いた体験型教育の重要性を改めて認識いたしました。セキュリティ分野の人材育成に向けて、国内の大学などとの連携を通じて、核セキュリティ教育を普及できる可能性があると感じました。

INSEN年次会合の日本開催にあたり、ISCNをはじめ、準備・運営にご尽力いただいた関係各位に対し、深く敬意を表したいと思います。

(2)核不拡散・核セキュリティ関連業務に係る中間評価について

本年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、原子力を脱炭素電源として最大限活用するものと明確に示されました。核不拡散・核セキュリティ体制の維持強化は、そのための欠くべからざる前提であり、ISCNを中心とした人材育成や国際協力の取組みは、国家戦略と高い整合性を有するものと考えます。

ISCNによる実践的な教育環境や、IAEAで活用されている日本の教材は、国際的にも高く評価されており、我が国の大きな強みです。本日の中間評価では、これらの取組が総合的に評価されており、ISCNの活動や取組みを引き続き支持します。

特に、現場の知見を教育に反映させる視点は、産学官連携によって今後さらに充実できると期待しております。中間評価資料にあるとおり、ISCNの研修では関係省庁の講師の起用や実地演習など、現場感覚を取り入れた取組みが進められており、高く評価できるものと考えます。実務知見をさらに反映することにより、一層の教育成果の向上につなげていただきたいと思います。

以上

<参考>

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/076/index.htm

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