第29回 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 原子力科学技術委員会 原子力研究開発・基盤・人材作業部会における上田委員発言内容

2026年7月16日

一般社団法人日本原子力産業協会

(1)高速実験炉「常陽」の状況

高速実験炉「常陽」の運転再開に向けた取組は、安全を最優先とした着実な対応を支持するとともに、実証炉開発のみならず、医療用RI(Ac-225)の製造など、発電にとどまらない原子力の多様な価値を創造する極めて重要な基盤として、大いに注目しております。とりわけ常陽におけるがん治療への貢献は、原子力の価値・有用性を、国民理解の向上のためにも、より広い層に広報していただきたいと思います。

(2)JAEAの機能強化

今後、高度なセキュリティ機能のオープンファシリティを強化するということですが、スタートアップ企業や一般企業については、JAEAを知らない方も結構多いと思います。 そのため、こういった施設でこういった実験や研究ができるという広報戦略の面も重要だと思いますので、そちらについてもご検討いただければと思います。

(3)ポストANECの検討状況

次世代革新炉の社会実装や、2040年代頃の既設炉建て替えといった具体的な将来像が見えてきた今、未来を支える「2050年代以降の担い手」への人材育成の裾野拡大が課題です。
ANECからJAEAへ事業移管されることで、現在コアチームで検討されている司令塔機能においても、JAEAには、より一層、積極的役割を期待しています。
特にサプライチェーン企業からは、工業高校生をはじめとする若手人材の確保が難しいとの声が多く聞かれます。そのため、資料5の事業リスト案にも「アウトリーチ活動型」として示されておりますとおり、進路選択前の小中学生を含む若年層への早期アプローチや、教育現場との連携強化など、将来を見据えた取組を一層推進していただきたいと考えております。
高等教育だけでなく、若年層への早期アプローチから社会人教育までを含めた、一貫性のある人材育成の仕組みとなる検討の方向性につきまして支持いたします。

(4)原子力研究開発インフラの供用化・統合管理事業(仮)の事前評価

原子力施設の供用については、安全性や機密性を確保しながら、利用窓口の一元化、申請手続の簡素化、技術サポートの充実など、利用者の利便性向上と施設提供側の負担軽減という二つの視点が重要かと思います。
また、こうした供用を円滑に進めるためには、一例として全体を調整・統括する主体を明確にすることも重要と考えます。その意味で、今回の資料に示されている「JAEAへの利用窓口の一元化(コンシェルジュ設立)」といった方向性には賛同します。 
また、企業・大学の知財や機密に抵触しない範囲となりますが、施設供用による多様な研究成果を発信していただくシステムも重要かと考えます。原子力研究施設設置の社会的意義への国民理解の促進や、若年層や学生の原子力への関心をさらに高めることに貢献できるのではないかと思います。

以 上

<参考>

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/100/index.htm

印刷ページはこちら

お問い合わせ先:企画部 TEL:03-6256-9316(直通)