竹中工務店が石膏を主成分とする遮蔽ブロック開発、福島第一の新事務本館に採用

2016年10月13日

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放射線遮蔽ブロック壁ⓒ竹中工務店

 竹中工務店は10月11日、建材メーカーの吉野石膏と共同で開発した放射線遮蔽ブロック壁「RadBlock-X」が、福島第一原子力発電所内の新事務本館エントランスホールに採用されたと発表した。
 主にガンマ線、X線に対して優れた遮蔽性能を発揮する「RadBlock-X」は、高さ200mm、幅400mm、厚さ80mm、重量約16kgのブロックを積む簡易な施工法のため、施設内のレイアウト変更やリニューアル時の再利用にも簡便に対応できる。また、工期短縮だけでなく、工事中の騒音、粉塵の大幅な抑制が可能で、鉛などの有害重金属を使用せず、石膏を主成分に天然素材を添加した新素材から作られていることから、環境負荷低減でも大きなメリットがあるのが特徴だ。
 今回の製品開発に際しては、石膏を主とする建材・工法で豊富な実績を有する吉野石膏の技術を活かし、材料の形状自由度によりブロック製造時の寸法精度が高まることなどで、簡易な施工法、高い遮蔽性能、環境負荷低減のいずれをも可能とした。設置条件に応じた十分な耐震性能を確保することもでき、病院内に設置する最先端の診断・治療装置など、放射線遮蔽が要求される様々な施設の新築・リニューアル工事にも対応が可能となる。
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福島第一原子力発電所新事務本館ⓒ東京電力

 「RadBlock-X」が初採用された福島第一原子力発電所の新事務本館は、従来の新事務棟に隣接しており、10月中の東京電力社員の新事務本館移転後、新事務棟については建物改修工事を実施した上で、2017年2月以降、順次協力企業が移転する計画となっている。これにより、発電所から遠方にあった協力企業が、より現場に密着し、東京電力と一体となって廃炉作業を安全に推進していくことを目指している。

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