インドのジャイタプール計画推進でアレバ社が同国企業と合意

2015年4月14日

 仏アレバ社は4月10日、インドのジャイタプールで同社製・欧州加圧水型炉(EPR)6基を建設する計画を前進させるため、同国企業2社との協力文書に調印した。同計画については2009年2月に同社とインド原子力発電公社(NPCIL)が協力覚書を結んだのに続き、翌2010年12月には最初の2基の建設に向けた全般的な枠組契約に調印。しかし、供給業者に一定の賠償責任を盛り込んだインドの原賠法や地元で激化した抗議運動がネックとなって、実質的な作業は棚上げとなっていた。

 今回、インドのN.モディ首相による初の仏国公式訪問を機に、複数分野で印仏両国間の協力合意文書が結ばれており、ジャイタプール関係ではインドでのEPR建設を許可する準備作業についてアレバ社とNPCILが予備エンジニアリング契約(PEA)に調印した。同契約ではまた、両社が同計画の技術面での詳細を詰めることが可能になる。

 アレバ社が調印したもう一件の合意文書は、インド最大のエンジニアリング・建設企業、ラーセン&トゥブロ(L&T)社と協力するための了解覚書。L&T社の発表によると、この協力はジャイタプール発電所のEPRをインドで最大限に国産化することを目指す内容で、L&T社とNPCILの合弁事業体である「L&Tスペシャル・スティール&ヘビー・フォージング社」にアレバ社の大型機器鍛造技術が移転される。原子力系統設備の主要機器や弁、配管の製造、電気や計測、エンジニアリングの関連作業などが連携対象になる見通しだ。

L&T社はこれまで、インド独自の加圧重水炉(PHWR)建設で機器製造や建設工事、プロジェクト管理を担ってきたが、今回の覚書を通じてPWR技術分野における同社の能力が大幅に増強されると期待。インド政府が進める「メイド・イン・インディア」政策とジャイタプール発電所の競争力強化にも役立つとの見解を表明している。

L&T社とアレバ社首脳による覚書調印©インド首相府

L&T社とアレバ社首脳による覚書調印©インド首相府