フランス:規制当局がトリカスタン3号機で合計40年間の運転を承認

2015年6月11日

 

90万kW級PWRが4基稼働するトリカスタン発電所©EDF

 90万kW級PWRが4基稼働するトリカスタン発電所            ©EDF

 フランス原子力安全規制当局(ASN)は6月9日、トリカスタン原子力発電所3号機(90万kW級PWR)でさらに10年間、運転継続することを承認した。同炉は1981年に営業運転を開始しており、承認された運転認可年数は合計40年となった。同国では原子炉の運転認可に決まった有効期限がなく、ASNは事業者に義務付けた10年毎の大がかりな総合安全審査(10年審査)の結果により、次の10年間の運転継続を許可するか判断。これまで、同様に3回目の10年審査をパスした原子炉としては同発電所1、2号機を始め、F.オランド大統領が2016年までの閉鎖を決めているフェッセンハイム1、2号機、ビュジェイ2、4号機などがある。

 10年審査は(1)関連規則の遵守状況と(2)安全性--の再評価で構成されており、新たな規制要求の達成を目標とした安全性の改善状況や、国内外の安全審査上の経験や知見の進展が反映されているかをチェック。また、機器類の劣化状態について今後少なくとも10年間、管理することが可能かを見る。トリカスタン3号機で行われた3回目の10年審査の結果から、ASNはさらに10年の運転継続に支障は無いと明言。次回の10年審査を2023年5月までに実施するよう指示した。

 ただし、事業者であるフランス電力(EDF)には追加の要求事項を運転継続の条件として通達。福島第一事故を受けた安全性改善など2012年と2014年に課した要求の大部分、および1、2号機での3回目の10年審査結果に照らして加えた要求事項を2017年末までに対策しなくてはならないとしている。