米韓両国が改定版の原子力協力協定に正式調印

2015年6月16日

©DOE/NNSA

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 米エネルギー省(DOE)の国家核安全保障局(NNSA)は6月15日、ワシントンでE.モニッツDOE長官と韓国の尹炳世外相が改定版の米韓原子力協力協定に正式調印したと発表した(=写真)。韓国が切望する使用済み燃料の再処理とウラン濃縮については、将来的な実施に道筋を開く一定の推進活動を許す内容で両国政府が4月に仮調印していたもの。今後、米国では同協定の発効に向けて議会に提出するが、90日の間に否決されなければ同協定は成立し、否決された場合でも大統領の拒否権発動が可能となっている。

 NNSAの発表によると、改定協定では使用済み燃料の管理や原子燃料の供給保証などの重要課題に対しては両国が共同で取り組む道筋を明記。原子力セキュリティや両国原子力産業界の協力の促進も含め、双方の目標達成に向けて協議していくハイ・レベルの二国間委員会を新たに設置するとした。4月の仮調印時に韓国外務省が発表した声明文でも、同委員会の下に(1)使用済み燃料の管理、(2)原子燃料の安定供給、(3)原子力発電所の輸出、(4)核安全保障--の4分野についてワーキング・グループを置いて常時協議を行う計画が明らかになっていた。

 韓国外務省はまた、米国産の核物質や原子力機器などを第三国に自由に移転するための長期的な同意も米国から確保したと明言。原子力輸出を大々的に促進していくため、投資会社や合弁会社なども積極的に設立していく方針だ。