スウェーデン:オスカーシャム1の閉鎖に向け申請書提出、閉鎖日程は未定

2015年6月19日

オスカーシャム発電所(=左から1、2、3号機)©OKG社

オスカーシャム発電所(=左から1、2、3号機)©OKG社

 スウェーデンのオスカーシャム運転会社(OKG)は6月18日、オスカーシャム原子力発電所1号機(O1)(BWR、48.7万kW)の将来的な閉鎖に向けて許可申請書をスウェーデン国土環境裁判所に提出したと発表した。具体的な永久閉鎖日程は未定だが、2016年末から2017年初頭までの間に同裁判所の裁定が下るとの見通しを示している。

 スウェーデンで原子炉の閉鎖準備を進めるには環境影響関連で広範囲な文書の作成が必要で、環境裁判所はそれらを元に閉鎖の承認裁定を下す。約15年前に他社のバーセベック原子力発電所が閉鎖された時の経験からも、OKG社は閉鎖には非常に長い時間がかかると認識。O1の実際の閉鎖に際しては、手続きを組織的かつ計画的に実行する準備を整える考えで、同社はすでに昨年1月、閉鎖の許可申請書と関連の環境影響評価書を提出する方針を表明していた。同社によると、商業運転開始後40年以上の期間を経てO1は発電設備としての競争力を失いつつある。また、近年の電力市場状況から将来的なメンテナンス費用の負担も難しくなると予想されるため、閉鎖の準備が必要だと説明している。

 なお同社は6月16日、同2号機(O2)(BWR)で計画していた約18万kWの出力増強を無期限で延期すると発表した。同炉では2013年6月から大規模な安全性改良工事を実施中で、安全当局が要求する新たな安全項目を満たすとともに66.1万kWの出力を84万kWに増強、技術的な原子炉寿命も60年まで延ばすことを目指していた。

 現在、この改良工事は年末の再稼働に向けた4段階作業の第3段階にあるが、2017年に予定していた出力増強については関係サプライヤーとの契約が改定され、将来オプションの1つに変わったという。同社のJ.スベニンションCEOも、「近年の市場予測では現時点で出力増強する必要が無い」と説明。O2は高めの出力でも発電可能な設備であるため、市場が要求するまで出力増強は延期するとの考えを示した。