仏アレバ社:中国の2社と燃料サイクル全般の協力加速で3件の合意

2015年7月1日

©中国中央人民政府

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 フランスのアレバ社は6月30日、原子力の平和利用分野における中国との既存の協力関係をさらに促進し、中国核工業集団公司(CNNC)および中国広核集団有限公司(CGN)との協力プロジェクトを前進させる3件の合意文書に署名したと発表した。中国の李克強首相がフランスを公式訪問し、同国のM.バルス首相とパリで様々な分野の協力強化で共同宣言を行ったのに合わせて行われたもの(=写真)。

 1件目は中国における使用済み燃料の再処理・リサイクル施設建設プロジェクトを前進させるためにCNNCと結んだ了解覚書である。両者は2013年4月、年間処理能力800トンの大型商業再処理・リサイクル施設を建設するプロジェクトの協力意向書に調印し、双方のタスクや責任の配分を特定する技術協議を実施したが、今回の覚書によりこの協議を正式に完了。商業交渉の日程を特定するとともに、可能な限り短期間にこの交渉を終えるために双方の意向を確認するという。

 2件目は燃料サイクル全般に関してCNNCと結んだ合意文書、およびCNNCとフランス電力(EDF)の両社と結んだ原子炉関係の協力合意文書である。燃料サイクルについては既存の協力分野を拡大・促進する内容で、ウランの抽出・転換、ジルカロイ被覆管を使用した燃料集合体の製造・解体・輸送・リサイクルが対象分野となる。原子炉関係では主に、CNNCとEDFが中・高出力の原子炉開発で資機材の調達を中心に一層緊密に協力する可能性を調査予定であるため、アレバ社が支援を提供するとともに、関連の研究開発協力も拡大するとしている。

 3件目はCGNとEDFの両社と、中・高出力の原子炉開発分野における長期的パートナーシップ構築に向けて結んだ協力意向書(LOI)。ここでは主に、EDFの協力で中国初の欧州加圧水型炉(EPR)を建設中の台山原子力発電所(175万kWのPWR2基)計画で培った経験のフィードバックを考慮していくことになる。