台湾電力:龍門原子力発電所の密閉管理準備が完了へ

2015年7月2日

 台湾電力は6月29日、ほぼ完成していた第四(龍門)原子力発電所1号機を密閉管理するとともに、2号機の建設作業を凍結する準備が30日までに整うとの見通しを表明した。台湾住民の間で反原子力運動がとみに高まったのを受け、昨年4月に馬英九総統と行政院(内閣)が決定した方針に沿ったもの。密閉管理期間は3年間を計画しており、この間にすべての機器類を最良の状態に保持する経費は34億台湾元(約135億円)と見積った。将来的に密閉を解くかの判断は住民投票で決まるとしており、低炭素エネルギーのオプションを選択する権利は次世代の人々に残す考えを示した。

 同発電所については昨年7月、経済省の専門家監督グループが1号機の全システム126系統が安全要件に合致していることを確認したのに続き、翌8月に行政院が「停止・密閉管理作業ガイドライン」を発布。今年1月に台湾原子能委員会が具体的な実施計画を承認したのを受け、台湾電力は半年間かけて準備作業を行っていた。同計画によると、システムのうち30系統を乾式保管する一方、原子炉と冷却系は湿式で保管。未完成の2号機の115系統も乾式保管になるという。