カザフスタン:インドへの天然ウラン供給契約を更新

2015年7月9日

ウラン契約の更新はインドのN.モディ首相(=左)による公式カザフ訪問(=右はN.ナザルバエフ大統領)に合わせて合意された©インド首相府

ウラン契約の更新はインドのN.モディ首相(=左)による公式カザフ訪問(=右はN.ナザルバエフ大統領)に合わせて合意された©インド首相府

 カザフスタンの国営原子力企業であるカザトムプロム社は7月8日、インド原子力省(DAE)に今年から2019年末までの約5年間、5,000トンの天然ウランを供給する契約を結んだと発表した。両国は2009年に原子力協力に関する了解覚書、2011年4月に2国間原子力平和利用協力協定を締結。これらに基づいて、世界最大のウラン生産量を誇るカザフは2011年からインド原子力発電公社(NPCIL)に約2,000トンの天然ウランを提供してきたが、昨年末でこの契約が満了したのを受けたもの。ウランの価格は市場メカニズムに基づいて決めるとしている。

 インドでは2032年までに原子力発電設備が4,500万kWまで拡大すると見込まれており、2008年に原子力供給国グループ(NSG)が同国に対する原子力資機材輸出規制を解除した後、資機材供給力を持つ各国が積極的に同国原子力市場への進出を図っている。米国が2010年10月にインドと原子力協力協定に調印し、原子炉の売り込みを展開中のほか、カナダは1960年代にインドに提供した重水減速研究炉が核開発に利用されたにも拘わらず2010年6月に2国間協力協定を締結。今年4月にカナダ企業がウラン精鉱3,000トンを2020年までインドDAEに供給する長期契約を結んだ。ウラン埋蔵量で世界第1位のオーストラリアもこれらに続き、2011年12月に同国へのウラン禁輸解除を決定。昨年9月にその枠組となる2国間協定を締結している。