カナダ:大規模な森林火災でウラン鉱山からの精鉱輸送を一時中断

2015年7月14日

 カナダのサスカチュワン州北部では6月から同州史上最悪という大規模な森林火災が続いているが、同地域のアサバスカ盆地でウラン鉱山を操業するカメコ社は7月9日、精錬施設からのウラン・パッケージ出荷は自主的に控えたものの、マッカーサーリバー、シガーレイク、ラビットレイクの各鉱山における生産とキーレイクでの精錬作業は滞りなく継続中だと発表した。
 
 発表日の段階で火災は終息しておらず、住民13,000人以上が避難を余儀なくされるとともに1,000人以上の兵士が投入されたという。カメコ社は設備周辺の環境や住民の安全性を確保するために追加対策を施すとともに地元コミュニティの消火活動と住民避難を支援。同じ北部地域でも火災は中央部分に集中しているため、同社の操業に直接的な影響が及ぶことはないと強調した。ただし、同州南部の営業所に続く2つの舗装路は、火災の煙による視界の悪化で断続的に通行止めとなることから、カメコ社は輸送を一時的に控えて製品を安全に保管。火災の状況が回復してから出荷する方針を決めたとしている。

 カメコ社では2015年にウラン精鉱生産目標量である2,530万~2,630万ポンドと、販売目標量3,100万~3,300万ポンドの達成を目指している。