英NuGen社:ムーアサイド原子力発電所建設計画用の土地購入契約を締結

2015年7月15日

NuGen社のサムソンCEO(=右)とNDAのクラーク総裁©NuGen社

NuGen社のサムソンCEO(=右)とNDAのクラーク総裁©NuGen社

 東芝が出資する英国のNuGen社は7月14日、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を3基建設するための用地として、英国北西部・西カンブリアにあるムーアサイドの土地を原子力デコミッショニング機構(NDA)から購入する契約に調印した。ムーアサイドはセラフィールド原子力複合施設サイトの北部から西部の辺りに位置しており、同社はそこでサイト適性調査を実施した。その結果、現時点で国際原子力機関(IAEA)のガイドラインをすべて満たすなど、同地が原子炉建設に適していることが立証されたため、NuGen社の取締役会が土地購入契約の締結を承認したもの。サイト適性調査は今秋まで継続し、詳細計画やサイト施設レイアウトを作成する予定である。2024年の初号機完成を皮切りに合計340万kWの原子力発電設備を建設するプロジェクトは、実現に向けてまた1つ大きな節目を迎えた。

 NuGen社は2009年にムーアサイドの土地200ヘクタールを購入するオプションを7,000万ポンド(135億円)で確保した。このエリアから原子炉建設に最も適した100ヘクタールを選択するとしており、2014年5月には同オプションの延長でNDAと合意。今回の契約は同オプションを行使したことによる。同社は契約金額を公表していないが、支払が済み次第、同用地はNuGen社の責任の下で開発に使用することが可能になり、納税者のために価値を生み出すことになるとした。同社のT.サムソンCEOも「英国北西部地方、特に英国原子力開発の中心地である西カンブリアにとって非常に重要なニュースだ」と強調。英国で予想される電力需要の約7%を供給可能な欧州最大規模の原子力プロジェクトを前進させられることは喜ばしいとコメントした。

 NuGen社は今後、最終的な投資判断を下す予定の2018年末までに規制や認可、および商業活動に関する様々な準備作業を進めるとしている。