英国:オールドベリー1号機の使用済み燃料取り出しが完了

2015年8月17日

オールドベリー原子力発電所内使用済み燃料プールⓒNDA

 オールドベリー原子力発電所内使用済み燃料プールⓒNDA

 英国のマグノックス社は8月11日、オールドベリー原子力発電所1号機からの使用済み燃料取り出しを完了したと発表した。
 オールドベリー原子力発電所は2基(各GCR、23万kW)を有し、世界の原子力発電開発の中でもパイオニア的存在であるコールダーホール型(マグノックス)炉をベースに、双子ユニットとして1967年に運転を開始した。英国ではこれらの黒鉛減速、炭酸ガス冷却方式の原子炉が11サイト・26基建設され、オールドベリー原子力発電所は初めて商業規模の運転を開始した発電所である。
 オールドベリー発電所の所有者である原子力デコミッショニング機構(NDA)は当初、同発電所2基を2008年末に閉鎖する予定だったが、国内経済の状況変化による電気料金上昇を受け、安全性改善に投資した上でこれら2基の運転寿命を2年間延長することを決定。その後、2号機を2011年6月に閉鎖、1号機は3回に及ぶ運転延長を経て2012年2月に運転停止した。44年間稼働したオールドベリー1号機は、閉鎖当時稼働中の原子力発電所の中で世界最古だった。オールドベリー2基が発電した電力量は、1,375億kWhで、100万世帯が20年以上使用するのに十分な量であったという。
 同サイトにおいて、当面の最大の課題は使用済み燃料の取り出しとセラフィールドへの移送であった。同発電所の運転を担うマグノックス社は、2013年に燃料取り出し作業を開始、このプロセスは廃炉の中でも主要な部分であり、所長のM.ヒートン氏は、「今回の作業完了は、オールドベリー発電所の歴史においてもマイルストーンと言えるもので、我々は年末までに2号機も含め、燃料取り出しを完了させていきたい」と述べた。取り出された燃料は、セラフィールドへ移送されるまで、サイト内の使用済み燃料プールに貯蔵される。
 NDAの事業部長であるB.バーネット氏は、「今回の燃料取り出し完了は、原子力発電所の管理ならびにメンテナンスの取り組み上で大きな軌跡である。この素晴らしい実績を挙げたオールドベリー発電所のマグノックス社チームに祝福を伝えたい」と語った。
 今後、NDAは、本格的な廃止措置や浄化作業を進めていく。オールドベリーサイトには、日立製作所が2012年にホライズン・ニュークリア・パワー社を買収したことにより、同サイトでの新規建設プロジェクトを掲げており、ウィルファサイトと合わせて合計出力540万kW以上のUK-ABWRを建設することになる。
 なお、2号機については、現在燃料取り出しの85%が進んでおり、10月には完了の予定である。