ウクライナ:ロブノ3号機の運転期間延長申請に向けた準備作業が進展

2015年8月21日

©エネルゴアトム社

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 ウクライナの原子力発電公社であるエネルゴアトム社は8月19日、ロブノ原子力発電所(=写真)3号機の運転期間延長を申請するための準備作業が順調に進展していると発表した。同発電所では40万kW級のロシア型PWR(VVER)である1、2号機について、国家原子力規制検査庁(SNRC)が2010年12月に同国の原子炉としては初めて、20年間の運転期間延長を承認。3号機と同じ100万kW級VVERである南ウクライナ原子力発電所1号機についても、SNRCは2013年に、2023年まで10年間の運転期間延長を承認した。エネルゴアトム社では2006年に内閣が承認した2030年までのエネルギー戦略に従い、国内の稼働中原子炉15基中、経年化した11基について、VVERの公式運転寿命である30年を超えた運転継続を目指す考えだ。

 同社が現在3号機で進めている作業は、許可の取得に必要な電気機器や制御システムなどの改修工事あるいは取り替えで、原子炉設備の新しい診断システムと地震モニタリング・システムの導入も含まれる。こうした作業の結果は「定期安全評価報告書」としてまとめられ、同炉の運転が改修計画に沿ったものであるとともに、安全運転の条件やパラメーター、安全レベルの改善を目的とした改築・最新化対策にも適合していることを保証。規制当局はこの報告書に基づいて、同炉の運転期間を延長すべきか判断することになる。

 なお今年5月12日、エネルゴアトム社は南ウクライナ2号機(100万kW級VVER)の運転期間を10年間延長するために同炉を停止。配管の最新化やタービン機器の取り替えを含む大規模な総点検・改修作業に入った。また、同月20日には、今年末に30年の公式運転寿命を迎えるザポロジェ1号機(100万kW級VVER)についても運転期間延長をSNRCに申請している。