IAEA:フランスの研究炉を「国際研究炉センター」の施設として認定

2015年9月18日

サクレーとカダラッシュ両センターの認定書を手にするCEAのD.ヴェルヴェールド長官(=左)とIAEAの天野事務局長

サクレーとカダラッシュ両センターの認定書を手にするCEAのD.ヴェルヴェールド長官(=左)とIAEAの天野事務局長

 国際原子力機関(IAEA)は9月14日、仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)がサクレーとカダラッシュの研究センターで保有する研究炉および付属施設を、IAEAが昨年起ち上げた「国際研究炉センター(ICERR)」構想における最初の指定施設として認定した。これにより、カダラッシュで建設中のジュール・ホロビッツ研究炉(タンクプール型、熱出力10万kW)を含むCEAの設備は国際的な原子力R&Dの拠点となり、IAEA加盟国は原子力教育や共同研究開発プロジェクトなどでこれらの施設を利用することが可能になる。CEAでは今後、年間15~20名程度の研究者を受け入れる計画だ。

 IAEAの天野之弥事務局長は、「このようなセンターにより、加盟国の中でも特に、研究施設を持たない途上国の研究者達が研究炉施設にアクセスし、人的資源を効果的・効率的に、そして確実かつ低コストで開発することができる」と指摘。ICERR構想はまた、既存の研究炉施設の活用促進と革新的な原子力技術の開発にも貢献するとの認識を示した。なお、CEA施設のICERR認定に際しては厳格な手続が行われており、これには申請書と裏付け文書の審査やサイトにおける監査ミッション受け入れ、そしてIAEAスタッフおよび世界中の研究炉関係者の代表で構成される国際選定委員会の包括的な評価と推薦が含まれるとしている。