ロシア:30基目のロストフ3号機で営業運転開始許可

2015年9月28日

1、2号機がそれぞれ2001年と2010年から稼働中のロストフ発電所©エネルゴアトム社

1、2号機がそれぞれ2001年と2010年から稼働中のロストフ発電所©エネルゴアトム社

 ロシアの国営原子力総合企業ロスアトム社は9月24日、黒海北部のツィムリャンスク湖岸に立地するロストフ(旧ボルゴドンスク)原子力発電所で3号機(PWR、110万kW)が営業運転の開始許可が下りたと発表した。これにより、同国の商業炉は30基、約2,600万kWとなった。同発電所ではさらに、同型の4号機の建設工事が2017年の営業運転開始を目指して進められている。

 同炉の建設工事は2009年10月に始まった。ロストフ発電所のA.サルニコフ所長によると、同炉は昨年12月、予定より2か月前倒しで送電網に接続され、これまでに2億9,300万kWhを発電。9月14日に連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)の責任者が同炉について、「技術的な要件を満たした」とする意見書に署名したのに続き、17日にロスアトム社の資本投資部長が運転開始許可書に署名していた。

 ロシアではこのほか、レニングラードとノボボロネジの両原子力発電サイトで既存炉をリプレースするⅡ期工事として、出力120万kWのロシア型PWR(VVER)「AES-2006」を2基ずつ建設する工事が進展中。また、出力60万kWの高速炉が稼働するベロヤルスク発電所では、80万kW級高速炉である4号機が昨年6月に初臨界を達成した。一方、リトアニアとポーランドの間に位置する飛び地で2012年に着工したバルチック発電所(「AES-2006」×2基)は、バルト3国や東欧諸国への売電が見込めず、2基とも2013年から工事が中断している。