米GE社:アルストム社の買収完了、GEH社の新CEOにワイルマン氏

2015年11月6日

©GE社

©GE社

 米国のGE社は11月2日、フランスの大手重電機器メーカーであるアルストム社の火力発電と再生可能エネルギー・送配電事業の買収手続が完了し、それにともないGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社の社長兼CEOにジェイ・ワイルマン上級副社長兼COO(=写真)が就任したと発表した。

 GE社が提示した総額169億ドルの買収案をアルストム社が受け入れたのは昨年6月のこと。同手続の完了により、GEパワー&ウォーター社とアルストム・パワー社はニューヨーク州スケネクタディを本拠地とする「GEパワー」社として統合され、電力を一層廉価で信頼性と持続性のあるものにするサービス、および多様な発電技術を提供していくことになった。

 GEH社のCEO交代は、アルストム社の買収後計画の一環として、前任のC.レーダ氏がGE社の北米電力サービス事業担当に異動したのに伴うもの。ワイルマン氏はミシシッピー州立大で原子力工学の学士号、アラバマ大で経営管理学の修士号を取得し、GE社に入社する以前はサザン・ニュークリア社の原子燃料エンジニアや営業マネージャーを10年近く務めた。GE社においては、サハラ以南のアフリカ諸国で石油や天然ガス、発電、再生可能エネルギー、送電網の近代化などのサービス・ソリューションや統合製品を提供するチームを牽引。2012年にGEH社に加わって以降は、同社製ESBWR(高経済性・単純化BWR)に米原子力規制委員会(NRC)から設計認証(DC)が発給されるよう尽力した。また、同氏が原子力プロジェクト・グループを主導したことにより、同設計を採用した新設計画でドミニオン社と合意に達したほか、同設計を採用した新設計画としては初めて、DTEエナジー社のフェルミ増設計画に建設・運転一括認可(COL)が発給されたとしている。