仏アレバ社:米ニュースケール社からSMR用燃料集合体の製造・供給契約取得

2015年12月9日

 フランスのアレバ社は12月2日、米国で独自の小型モジュール炉(SMR)を開発中のニュースケール社から、燃料集合体の製造・供給契約を取得したと発表した。契約総額は明らかにしていないが、初装荷炉心に加えて、取替用燃料も供給することになるとしている。

 アレバ社は現在、先進的な加圧水型SMR専用の「HTP燃料集合体」を開発中。ニュースケール社が一体型PWRとなる同社製SMRについて、2016年にも米原子力規制委員会(NRC)に設計認証(DC)審査を申請予定であることから、それに合わせて同SMR用HTP燃料集合体の機械特性と熱流力に関する試験を実施している。ニュースケール社は「当社の画期的なSMR設計を市場に売り出す上で、アレバ社は重要な支援を継続的に提供してくれる」とコメント。今回の契約締結により、同社は燃料製造で定評のあるアレバ社製の燃料をSMRの顧客に提案できると述べた。

 ニュースケール社のSMRは固有の安全性を有する出力5万kW程度のもので、工場で予め組み立てた後、サイトまで陸路や海路での輸送が可能。12基連結することにより、出力も最大で60万kWまで拡大することができる。2023年後半にも米アイダホ州で初号機を建設する計画だが、「世界のSMR市場において英国の原子力産業が早くから中心的役割を担う」との見通しの下、同国でもSMRで事業チャンスを獲得し、低炭素な電力を提供していきたいとの方針を10月に公表している。