米エンタジー社:Vヤンキー発電所の使用済み燃料、2年前倒しで乾式貯蔵に移行へ

2015年12月24日

既設の1つ目の貯蔵パッド上に並ぶENVYのISFSI©ホルテック・インターナショナル社

既設の1つ目の貯蔵パッド上に並ぶENVYのISFSI©ホルテック・インターナショナル社

 米国の大手原子力事業者であるエンタジー社は12月16日、バーモント州で2014年末に閉鎖したバーモント・ヤンキー原子力発電所(ENVY)の使用済み燃料について、当初計画より2年前倒しの2017年から乾式貯蔵に移行する方針を明らかにした。現在、同炉の使用済み燃料の多くは貯蔵プール内で保管中だが、2020年末までにはこれらをすべて、2つの貯蔵パッドを使った乾式貯蔵施設(ISFSI)に移送が可能だと明言。ただし、それには2016年初頭にも2つ目の貯蔵パッド建設について州政府公衆サービス局から承認を得る必要があり、その場合は2017年中に貯蔵パッドが完成するとしている。

 エンタジー社が選定した乾式貯蔵システム製造業者のホルテック社によると、乾式貯蔵への移行を早めに開始するため、貯蔵機器の納入日程を早めるほか有資格の作業員を確保することが可能だという。エンタジー社の見方では、当初計画より早い時期に一定のコストが発生するものの、乾式貯蔵プロジェクト全体のコストは同程度を維持。2017年からの移行開始は、2020年末までにすべての使用済み燃料で乾式貯蔵への移行を完了する安全かつ効率的なオプションだとの認識を示した。

 同プロジェクトの実施に際し、エンタジー社は2つ目の貯蔵パッド建設や乾式貯蔵システムの調達、貯蔵プールから乾式貯蔵システムへの移送経費を含む約1億4,500万ドルを外部の信用機関から賄う予定。原子力廃止措置信用基金を利用するよりも、乾式貯蔵へのタイムリーな移行が可能であり、最もコスト効率の高いオプションだと説明している。