中国:CNNC傘下の投資・資本管理会社が英国子会社を起ち上げへ

2016年1月27日

 中国核工業集団公司(CNNC)傘下の核能電力有限公司(CNNP)が、英国で100%子会社を起ち上げる予定であることが1月26日付けの上海証券取引所への申請書で明らかになった。新会社名は「中国核電(英国)有限公司(略称:中核英国)」で、初期資本金は1,800万ポンド(約30億円)を予定している。

 CNNPはCNNCの投資・資本管理を担当しており、原子力による海外進出という中国政府の戦略を実行するため、英国子会社を基盤として諸外国の原子力投資家や技術研究機関との協力を強化。関連する技術革新や研究開発により競争力や技術力を高め、投資や企業の買収・経営を通じて国際ビジネスを拡大する。また、英国の関係機関とも原子力安全技術について共同研究を行う計画だとしている。

 英国では、EDFエナジー社がサマセット州で進めているヒンクリーポイントC計画に中国広核集団有限公司(CGN)が33.5%出資するほか、サフォーク州で検討中のサイズウェルC計画に20%の出資を約束。エセックス州のブラッドウェルB計画には中国製原子炉を輸出して主導的役割を担うことになっている。これらは対欧米の原子力協力・輸出では初の例であり、中国は後続の原子力輸出を実現するため、CNNPの英国子会社も最大限に活用していく考えだ。