中国:独自開発した燃料集合体「STEP-12」で照射テスト

2016年2月19日

©CGN

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 中国広核集団有限公司(CGN)は2月17日、独自に設計・開発した「STEP-12」燃料集合体とCZジルコニウム合金製のサンプル・チューブ集合体を広東省の嶺澳第Ⅱ原子力発電所1号機に4体ずつ装荷し、14日に照射試験を実施したと発表した(=写真)。現在国内で稼働する既存の第2世代改良型PWR「CPR1000」に使用するほか、建設中の第3世代PWR「華龍一号」の燃料開発に役立てるのが目的で、実際の原子炉で照射試験を行って、腐食特性や機械特性といった全体的な性能を確認するという。中国ではもう1つの大型原子力発電事業者である中国核工業集団公司(CNNC)も1月末、「華龍一号」用の燃料集合体「CF3」で最初の照射テストを実施。原子炉のみならず燃料集合体の設計・製造でも自立することで、中国産原子炉の経済性向上と輸出促進を図る考えだ。

 STEP-12など新型燃料集合体の研究開発は、第12次5か年計画期におけるCGNの戦略的な重要項目の1つ。「STEP」という呼称は「Stride Toward Excellent Performance」の頭文字を取ったもので、照射テストの後、CGNは包括的な物理実験を行う予定。これには目視点検や被覆管酸化膜の厚み計測などが含まれ、結果は燃料集合体の設計合理化や関連機材の放熱性能を理解するために活用するとしている。