スイスBKW社:ミューレベルク発電所を2019年12月20日に永久閉鎖へ

2016年3月7日

 スイスのBKW社は3月2日、ミューレベルク原子力発電所(KKM)(BWR、39万kW)の閉鎖日程について、廃止措置許可の取得など解体作業を直ちに始めるための法的条件が整えば、2019年12月20日に閉鎖するとスイス連邦原子力安全検査局(ENSI)に通達した。2013年にKKMの早期閉鎖方針を決めた同社は昨年12月、KKMの廃止措置申請書を環境運輸エネルギー通信省(DETEC)に提出。閉鎖予定日の情報提示は、廃止措置計画を立てる上で必要な規制要件となっていた。スイスでは福島第一原子力発電所事故の後、連邦政府が国内で稼働する原子炉5基の平均運転期間を50年に設定。KKMは2022年まで運転可能と見られていたが、BKW社は長期の運転にともなう規制面や技術面、政治経済面での影響を熟慮した結果、予定より前倒しで閉鎖することに決めていた。これにより、1972年に運転開始したKKMの合計運転期間は47年となる。

 発表によると、BKW社は永久閉鎖後直ちに原子炉の解体準備と閉鎖後の技術的プロセスを始める計画。技術プロセスは解体準備の予備的ステップであり、9か月間を要する。また、最終解体プロセスを始められるのは、すべての燃料棒を使用済み燃料貯蔵プールに移送し、他のシステムとは別に冷却可能な状態になってからのこと。早くても2020年9月になる見通しで、解体作業の完了までには15年間かかるとしている。同社はまた、廃止措置においてはENSIから適宜、許可を得ることが前提条件だと指摘。この関係で、同社が12月に提出した解体措置申請書も、4月初頭から1か月間のパブリックコメントに付されることになっていると説明した。また、DETECから廃止措置命令が出るのは2018年半ば頃との見通しを示している。