米国:ワッツバー2のタービン建屋で小規模火災、運転開始スケジュールに影響なし

2016年3月11日

 米テネシー峡谷開発公社(TVA)が原子力規制委員会(NRC)に報告した事象記録によると、起動準備中のワッツバー原子力発電所2号機(PWR、120万kW)でTVAは3月9日の午前3時42分(米国東部標準時間)、NRCによる4段階の緊急事態分類で最も低い「異常事象」の発生を宣言した。タービン建屋に設置された復水器ポンプのモーターで15分を超える火災が発生したもので、4時1分までに無事に鎮火。火災対応チームの安全も確認されたことから、TVAは5時8分に同宣言を解除した。この事象による外部支援の要請はなかったほか、職員全員の所在を確認、けが人もいないとしている。

 現地の報道によると、この事象にともなうポンプやポンプモーターの具体的な損傷程度は不明だが、TVAのJ.ホプソン報道官は、同炉で現在進めている起動前試験や初臨界に向けた準備などのスケジュールに影響はないと述べた模様。6月にも米国で約20年ぶりの新規原子炉として、営業運転を開始できるとの見通しを示したという。