カザフ大統領:国内ウラン鉱山のJVパートナーから資産回収する可能性を示唆

2016年3月18日

カザトムプロム社の社長と会談するナザルバエフ大統領(=右)©大統領府

カザトムプロム社の社長と会談するナザルバエフ大統領(=右)©大統領府

 世界最大のウラン生産国であるカザフスタンのN.ナザルバエフ大統領は3月15日、国内ウラン鉱山における合弁事業(JV)のパートナー企業から資産を回収する可能性に言及した。鉱山事業を担当する国営原子力企業カザトムプロム社のA.ジュマガリエフ社長が、同社の組織改革プログラムの進行状況などを報告した際、同大統領のコメントとして大統領府が伝えたもの。大統領は同社が国家の重要資産であると強調した上で、「鉱山のパートナー企業のいくつかは義務事項を満たしていない」と指摘。これら企業が義務を履行するよう徹底するか、もしくはカザフの国益に即して資産の返還要求を検討する必要があると述べた。

 背景理由などの詳細は明らかにされていないが、同国では現在、北部のウェスト・ミンクダック鉱山で住友商事と関西電力が、西部のカラサーン鉱山で日本の企業連合が一部の権益を保有。その他の鉱山では、フランスのアレバ社やカナダのカメコ社、ロシアが出資するウラニウム・ワン社などがカザトムプロム社と権益を分け合っている。