カザフスタン:米コンバーダイン社と共同でUF6をマーケティング

2016年4月6日

左側がコンバーダイン社のクリッチリー社長©カザトムプロム社

左側がコンバーダイン社のクリッチリー社長©カザトムプロム社

 カザフスタンの国営原子力企業カザトムプロム社は4月4日、米イリノイ州に本部を置くウラン転換企業コンバーダイン社と協力協定を結んだと発表した。世界最大のウラン生産国であるカザフが大手の転換企業と提携し、ウラン濃縮の原料となる六フッ化ウラン(UF6)を世界市場へ大々的に供給していく考え。同社は原子力発電の進展にともない、世界の原子力産業界でUF6の需要も着実に増加すると予測しており、同社の生産能力とコンバーダイン社の転換能力を統合することで、競争力と信頼性に優れたUF6供給が可能になるとしている。

 カザフは2009年にウラン生産量でこれまで第1位だったカナダを抜き、それ以降はトップ生産国としての立場を維持。2015年の生産量は前年実績から971トン増の23,800トンとなっている。コンバーダイン社はジェネラル・アトミクス社およびハネウェル社と提携関係にあり、イリノイ州メトロポリスの転換工場で年間3,600万ポンド(16,330トン)のウラン精鉱(U3O8)をUF6に転換。世界の原子力発電所の約60%に供給している。

 カザトムプロム社のA.ジュマガリエフ社長は、「今回の協定により、新たな市場に一層統合した形で製品を売り込む機会が生まれる」と評価。双方にとって利益がもたらされ-*るとした。コンバーダイン社のM.クリッチリー社長兼CEOも、「お互いの能力と目的が完璧に合致し、補足し合っている」とコメント。両社の製品と専門的知見を組み合わせれば、顧客に対する供給オプションや付加価値も拡大できるとの見解を示した。両社は今後、直ちにUF6の共同マーケティングを開始するとしている。