仏アレバ社とEDF社:フラマンビル3の原子炉容器試験を年末まで延長

2016年4月14日

 フランス電力(EDF)とアレバ社は4月13日、建設中のフラマンビル原子力発電所3号機(FL3)(PWR、165万kW)で原子炉容器(RV)の試験プログラムを今年末まで延長すると発表した。同プログラムの実施は昨年末に仏原子力安全規制当局(ASN)に提案し、承認されていたが、結果の初期分析から、サンプル数を増やしてRVの構造的安定性を実証する必要が生じたもの。サイトでは他の機器の組み立てや試験活動も先行して進めていることから、2018年第4四半期の起動に向けて、RVの品質と安全性を実証する自信があると強調している。

 フランス初の欧州加圧水型炉(EPR)となるFL3について、アレバ社は2015年4月、RV上蓋と下鏡の鋼材組成に異常が見つかったことをASNに報告。同RVはアレバ社傘下のクルーゾー・フォルジュ社製だが、炭素濃度の高い箇所では機械的強度が弱まる可能性があることから、同社はFL3のRVと同種の2つの試験パーツについて追加の試験プログラムを実施していた。結果を初期分析したところ、これらのうち1つでは厚みの中間部を超える炭素偏析現象が認められたため、同社はASNの承認した戦略に従って、厚みの4分の3部分までサンプリングと試験を進めることを決定した。延長試験では、異なるパーツ毎に主な製造パラメーターのバラツキが一層明確になるほか、試験パーツも3つに増加する。分析するサンプルの総数が1,200と、これまでの2倍になるため、3つの鍛造パーツに関する炭素組成や機械特性で特徴的な性質が明らかになるとしている。

 試験プログラムの延長はすでにASNも承認済みで、アレバ社は年末まで継続実施した後、最終報告書を提出することになる。