米エンタジー社:ピルグリム発電所の正式閉鎖日を2019年5月末日と決定

2016年4月19日

1972年に営業運転を開始したピルグリム原子力発電所©エンタジー社

1972年に営業運転を開始したピルグリム原子力発電所©エンタジー社

 米国のエンタジー社は4月14日、昨年10月に早期閉鎖方針を表明していたマサチューセッツ州のピルグリム原子力発電所(BWR、71万kW)について、正式な閉鎖日を2019年5月31日に決定したと発表した。残る3年間に低炭素なクリーン電力を安全に発電し続けるため、最後の燃料交換を2017年春の計画停止時に実施する考えを明らかにしている。同発電所の早期閉鎖は、供給地域におけるエネルギー価格の下落や偏った市場構造の改善が見込めないこと、および運転コストの上昇による収益の減少などが主な理由。それでも同社が保有する3,000万kWの発電設備のうち、1,000万kWは原子力であり、今後も長期的なコスト効果と信頼性の高い原子力で、電源の多様化やエネルギー供給保証に貢献していくとしている。

 閉鎖後は廃止措置を実施する方針で、同発電所での作業や廃止措置で経験のある専任チームの編成計画を立てる。同チームは閉鎖後2年以内に、廃止措置の具体的な活動や日程、コスト見積、環境影響評価などを盛りこんだ報告書を作成し、米原子力規制委員会(NRC)に提出予定。同社はまた、廃止措置に関して市民の疑問点などに答える小委員会を設置し、情報共有や啓蒙活動に役立てたいとしている。