フランス:放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)の事務局長にニエル氏

2016年4月26日

cIRSN

©IRSN

 原子力安全と放射線防護を目的とするフランスの専門家組織、放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)は4月22日、F.オランド大統領が原子力安全規制当局(ASN)のジャン=クリストフ・ニエル総局長(=写真)をIRSNの新たな事務局長に任命したと発表した。すでに同日付の官報に政令が掲載されており、ニエル氏はIRSNの実質的なトップとしてASNに対する技術的支援を行っていくことになった。これに伴い、ASNのP.-F.シュベ委員長は空席となった総局長ポストが埋まるまでの代行として、A.デルメストル副総局長を暫定的に任命した。

 1961年生まれのニエル氏は、理工系エリート養成高等教育機関のエコール・ポリテクニークと国立土木学校を卒業後、パリ第6大学で理論物理学の博士号を取得。フランス政府の技術系官僚集団に所属する土木技師で、原子力安全と放射線防護の分野で様々な地位を歴任した。1991年から1995年までは原子力施設安全局(DSIN)で原子力・代替エネルギー庁(CEA)の核燃料サイクル施設や放射性廃棄物施設の管理を担当。2005年までIRSNで安全評価部門や戦略・開発関係の部長を務めた後、2007年にASN総局長に就任していた。