フィンランドのハンヒキビ1号機用I&C系をロールス・ロイス社が設計へ

2016年4月27日

 フィンランドのハンヒキビ原子力発電所建設計画で、ロシアのロスアトム社から主要機器の供給契約を請け負ったTITAN-2社は4月25日、安全性に関わる計測制御(I&C)系の初期段階の構造設計は英国のロールス・ロイス社が実施することになったと発表した。同計画では120万kW級のロシア型PWR(VVER)「AES-2006」の採用が決まっているが、安全上重要な役割を果たすI&C系については事業者のフェンノボイマ社が「この分野で最良の企業に設計を任せたい」と希望。ロールス・ロイス社は今年中に初期の構造設計文書を作成してフェンノボイマ社に提出することになる。

 ハンヒキビ1号機の機器供給契約についてロスアトム社が2014年に入札を実施した結果、原子炉系統機器の基本設計はVVERの中心的設計開発企業であるギドロプレス社、原子力蒸気供給系などの長期納入品目はロスアトム社の機器製造部門であるアトムエネルゴマシ社が受注。ただし、それ以外の原子炉系統と発電機関係の資機材や設計、調達、I&C系機器の設計・納入などはすべてTITAN-2社が契約を獲得していた。

 フィンランドではフォータム社のロビーサ原子力発電所(50万kW級PWR×2基)にVVERが採用されているものの、組み込まれたI&C系は独シーメンス社製。ロールス・ロイス社は同発電所のI&C系で最新化作業に関わった経験があるほか、原子力発電部門におけるこれまでのI&C系納入実績が評価された。