インド:ロシア製のクダンクラム2号機で燃料の初装荷開始

2016年5月17日

©NIAEP-ASE

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 ロシアのロスアトム社傘下の原子力エンジニアリング企業であるNIAEP―ASE社は5月16日、インド最南端タミル・ナドゥ州にあるクダンクラム原子力発電所(=写真)で2号機の燃料装荷を11日から開始したと発表した。同社の前身であるアトムストロイエクスポルト(ASE)社は、1988年にインドがロシアと結んだ原子力平和利用分野の包括的政府間協定に基づいて、2002年3月と7月に同発電所1、2号機を相次いで着工した。1号機は2014年末に営業運転を開始しており、インド原子力規制委員会(AERB)は2号機についても2015年7月に完成したと発表。その後、温態機能試験など起動段階における様々な準備作業が行われていた。

 クダンクラム原子力発電所には100万kW級のロシア型PWR(VVER)が設置され、同1号機はこれまで出力の小さい国産加圧重水炉(PHWR)が中心だったインドで初のPWRであるとともに、初の大型商業炉となった。2号機では合計163体の燃料集合体を装荷予定で、今月中にこの作業を終えた後、6月にも初臨界を達成すると見られている。同サイトでは後続炉の建設も決定しており、2014年4月に3、4号機の増設に関する一般枠組協定が両国間で発効済みである。