エジプト:原子力導入でロシアから250億ドルの融資援助

2016年5月24日

 エジプトの国家情報サービス本部(SIS)は5月20日、同国初の原子力発電所建設計画でロシアから最大250億ドルの融資を受けるとした大統領令をA.F.シシ大統領が19日付けで公布したと発表した。同国政府は昨年11月、エジプト北部のエル・ダバで120万kW級のロシア型PWR(VVER)を4基建設・運転するための政府間協力協定をロシアと締結しており、ロシア政府から総工費の一部について低金利融資を受ける条項も盛りこまれていた。初号機は2022年に完成し、2024年から送電開始すると見られているが、エジプト政府は今後35年間で融資金を完済する方針。建設プロジェクトが具体的に動き出したことから、S.イスマイル首相は5月23日、プロジェクトの管理組織創設に必要な措置を検討する関係省庁委員会を設置すると発表した。

 発表によると、エジプト側は年利3%の融資を今年から13年間活用した後、2029年10月15日から22年間にわたって使用金額の返済を43回の分割払いで開始する。現地の報道によると、融資される250億ドルで建設工事と関連サービスおよび機器の輸送など、各契約の85%をカバーする予定で、残りの資金15%はエジプト側が調達。融資の返済には完成した原子炉からの売電収入を充てると見られている。また、シシ大統領はこの融資提案を「検討していた中で最良かつ最速の取引だ」と評価。原子力発電所の運転においては、核不拡散条約の全面的な遵守を約束すると述べたことが伝えられている。

 新しい管理組織の創設を目的とする省庁委員会については、電気・再生可能エネルギー省の次官が議長を務める予定。委員としては、国防省、計画省、内務省、財務省、軍需生産担当国務省、その他の国家機関に加えて、総合情報部(EGID)、管理統制局(ACA)などからも代表者が出席する。新設組織の機能や必要性、取締役会その他の項目について勧告を行うことになる。