中国:原子力発電所の緊急時対応で初の国家救援チーム

2016年5月27日

©CNNC

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 中国核工業集団公司(CNNC)は5月24日、原子力発電所で緊急事態が発生した場合に対応する、国家的な救援チームが初めて設置されることになったと発表した。国家核事故緊急時調整委員会が同日の会合で正式表明したとしている(=写真)。1991年に最初の商業炉が送電開始した中国は原子力発電利用国の中では後発に属するが、今や30基、約2,800万kWの原子力発電所が稼働する原子力大国。安全性を最優先する原子力産業の発展という政府目標を反映して、昨年12月に国家発展改革委員会が緊急時対応チームの創設を承認していた。チーム編成は2018年末までに完了予定だとCNNCでは説明している。

 発表によると、チームの構成員は総勢320名で、これを6ユニットに分割。それぞれ技術的支援、避難、救助、放射線モニタリング、除染、および医療援助を担当する。国内の原子力発電所における事故時の緊急対応に責任を負うのみならず、国際的な救援活動に参加する可能性もあるとしている。