フィンランド:フェンノボイマ社が独自の使用済み燃料処分場建設へ

2016年6月24日

 フィンランド中西部のピュハヨキでハンヒキビ原子力発電所(120万kW、ロシア型PWR)建設計画を進めているフェンノボイマ社は6月22日、放射性廃棄物の処分ノウハウに関する技術専門サービスの提供を10年にわたって受けるため、ポシバ・ソリューションズ社との合意文書に調印したと発表した。同時に、同発電所から出る使用済み燃料の最終処分場建設計画について、環境影響評価(EIA)プログラムを雇用経済省に提出しており、同発電所専用の処分場を建設する方針を明らかにしている。

 フィンランドでは現在、ティオリスーデン・ボイマ社(TVO)とフォータム社が共同出資するポシバ社が、ユーラヨキ地方オルキルオトの地下500mの施設に最大6,500トンの使用済み燃料を最終処分する計画を進めているが、これは両事業者がそれぞれ操業するオルキルオトとロビーサ両原子力発電所の使用済み燃料が対象。ハンヒキビ計画の「原則決定(DIP)」を2010年に政府と議会から取得したフェンノボイマ社は、同DIPにおける条件に従って今月末までに(1)ポシバ社の処分場にハンヒキビ発電所の使用済み燃料も処分可能とする協力協定をTVOおよびフォータム社と締結、もしくは(2)自前の処分場を建設するためにEIAプログラムを提出--しなければならないことになっていた。雇用経済省の作業部会も2013年2月、行き場が決まっていないハンヒキビ発電所の使用済み燃料については、双方が交渉して決めるよう勧告したが、今月末の締め切り日までに協力協定を締結する見通しが立たなかったと見られている。

 ポシバ・ソリューションズ社は、ポシバ社の処分場計画に使用されるノウハウのマーケティングや処分事業コンサルティングの専門子会社として、今月中旬に設置されたばかり。今回の合意により両社は今後、フェンノボイマ社が候補区域に選定したピュハヨキとユーラヨキで地質調査などを共同実施し、最終処分場建設サイトとしての適性を見極めることになる。数十年を要する長期プロジェクトであるため、フェンノボイマ社では2040年代にサイトを特定し、早ければ2090年代に使用済み燃料の最終処分を開始したいとしている。ハンヒキビ発電所計画については2015年6月に建設許可を申請しており、2016年1月に基礎掘削の開始記念式典を開催した。今後同社は2018年初頭の建設許可取得、2024年以降の営業運転開始を目指す。

 雇用経済省の発表によると、ポシバ社がユーラヨキを処分場建設サイトとして選定した際、1990年代に4地点でフェンノボイマ社と同様のEIAプログラムを実施した。このため、フェンノボイマ社がこれから行う地質調査にはその際のフォローアップ調査が含まれるほか、ポシバ社の同じノウハウが、フェンノボイマ社の処分場サイト選定にも活かされるとしている。