UAE:建設中のバラカ1で原子炉建屋の構造健全性試験等 完了

2016年7月7日

 アラブ首長国連邦(UAE)初の原子力発電設備となるバラカ発電所(韓国製140万kW級PWR×4基)を建設中の首長国原子力会社(ENEC)は7月2日、1号機の原子炉建屋で構造健全性試験(SIT)と統合漏洩率試験(ILRT)が成功裏に完了したと発表した。ENECは同炉の建設工事を2012年に開始しており、起動段階に達した同炉でSITとILRTが完了したことで、建設進捗率は88%に上昇したと強調。2017年の営業運転開始を目標に、最も厳しい安全・セキュリティの基準を満たしつつ次の作業である燃料の初装荷を目指すとした。建設サイトでは現在、全4基の建設工事が並行して進められており、2~4号機までの各進捗率はそれぞれ72%、50%および31%。4基全体では65%以上に到達したとしている。

 SITに際してENECは、建屋を加圧、あるいは減圧することで通常運転時と異常時の状況をシミュレートし、原子炉や大型機器を格納する建屋の強度を評価。ILRTでは様々な状況下で建屋の気密性を評価しており、数週間をかけたこれらの作業は連邦原子力規制庁(FANR)が全面的に監督し、基準への適合性を確認したという。ENECのM.アル・ハマディCEOは、「SITとILRTにおいて当社が安全性と品質を維持できたことを誇らしく思う」とコメント。燃料の装荷に向けた重要ステップとして、両試験が厳しい基準の下で行われることは必要不可欠との認識を示した。