ロシア初の120万kW級「AES-2006」ノボボロネジ6が 送電開始

2016年8月10日

ノボボロネジ6号機の中央制御室©ロスアトム社

ノボボロネジ6号機の中央制御室©ロスアトム社

 ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社は8月5日、同国初の第3世代+設計「AES-2006」採用炉であるノボボロネジ原子力発電所6号機(120万kW級ロシア型PWR)が送電を開始したと発表した。同発電所のⅡ期工事1号機とも称される同炉はロシアで31基目の商業炉となる予定で、2008年6月に本格着工した。2015年1月には温態機能試験が開始され、連邦環境・技術・原子力監督庁(ROSTECHNADZOR)は今年3月に運転許可を発給。5月に初臨界を達成した後、機器の様々な点検や試験を経て、今回、24万kWほどの出力で国内送電網に接続したとしている。

 発表によると、同炉では全電源喪失時や運転員の介入なしでも機能する受動的安全システム、水素再結合機やコア・キャッチャーを装備したほか、多くの性能パラメーターを改善。福島第一原子力発電所事故後に国際原子力機関(IAEA)が設定した要件にも全面的に対応できるとした。現時点では、米国やフランスでも第3世代設計の原子炉が建設されているが、ノボボロネジ6号機はその中でも世界初の第3世代原子炉になると強調した。

 同発電所ではすでに1、2号機が閉鎖され、40万kW級PWRの3、4号機と100万kW級PWRの5号機が稼働中。Ⅱ期工事では6号機と同型の7号機(Ⅱ-2号機)も2009年7月から建設中で、作業は順調に進展中だとした。このほか、「AES-2006」設計を採用した国内原子炉としては、レニングラード原子力発電所Ⅱ期工事の1、2号機がそれぞれ、2008年と2010年に本格着工している。