米国とインド:共同声明でインドの新設計画推進を確認

2016年9月5日

 米国とインド両国政府は8月31日、ニューデリーで開催した第2回「米印戦略・商業対話」の共同声明を発表し、インド東海岸アンドラ・プラデシュ州のコバダでウェスチングハウス(WH)社製AP1000を6基建設する計画の推進を改めて確認するとともに、核技術や原子燃料の輸出を管理する国家グループ組織「原子力供給国グループ(NSG)」にインドが加入可能となるよう、両国が力を合わせて行くことを明らかにした。

 今回の米印戦略・商業対話では、インドのS.スワラジ外相とN.シタラマン商工相が米国のF.ケリー国務長官およびP.プリツカー商務長官とともに共同議長を務めた。対話項目は戦略的防衛と安全保障、商業と経済の成長、技術革新と起業家精神など、多岐にわたっており、気候変動とエネルギーおよび環境の項目で両国は、民生用原子力分野における協力の進展状況を取り上げた。WH社とインド原子力発電公社(NPCIL)が契約協定を2017年6月までに最終決定するため、交渉継続していることを歓迎。これらの原子炉により、数百万のインド国民にはクリーンで信頼性のあるエネルギーが供給されると両政府は認識。サイト設計やエンジニアリング作業の速やかな開始と、資金調達パッケージについてインドと米輸出入銀行(US EXIM)が早期に合意に達することを期待するとした。

 また、NSGは2008年、米国の働きかけにより核不拡散条約(NPT)に未加盟のインドを特例扱いとする判断を下した。それにより原子力開発先進国から同国への原子炉輸出が可能になったが、今回の共同声明の中で両国は、世界レベルでNPT体制と輸出規制を強化するため、インドの早期のNSG加入に向けて双方が努力を倍加していくと表明。NSG参加国に対しては、共通の利益の追求を目的にインドを加入候補国とする支援を米国が促すと確約している。