米規制委:ターキーポイント原子力発電所増設計画で環境影響面の審査完了

2016年11月8日

 米原子力規制委員会(NRC)は11月2日、フロリダ・パワー&ライト(FPL)社のターキーポイント原子力発電所6、7号機増設計画について、建設・運転一括認可(COL)審査の環境影響評価が完了したと発表した。フロリダ州マイアミの南約32kmの地点でウェスチングハウス社製AP1000を2基建設・運転したとしても、周辺地域に環境上の影響が及ぶことはないとNRCスタッフが結論づけた環境影響声明書(EIS)最終版を米陸軍工兵司令部(USACE)と共同で発行したもの。ただしFPL社のCOL申請には、水質浄化法と河川港湾法に照らしたUSACEの承認を必要とする活動が含まれているため、USACEは今後EIS最終版の情報を使って、これらの活動に連邦政府の許可を与えるか審査を継続する。

 同計画のCOL審査ではこのほか、最終安全評価報告書(FSER)の取りまとめが必要であり、これには原子炉安全諮問委員会(ACRS)の専門家が安全面について下した審査結果などが盛りこまれる予定。また、原子力安全許認可会議(ASLB)もFPL社の申請書に対する異議申し立てについて法的審理を実施中である。NRC委員は技術的な審査が完了した段階で同申請書とNRCスタッフの審査結果について別途、公聴会を開催するが、COL発給の最終決定に到るまでには、これらのステップをすべて完了しなくてはならない。

 FPL社は2009年6月に同計画のCOL申請書を提出しており、NRCスタッフとUSACEは直ちに環境影響面の審査を開始した。環境影響のどのような問題を考慮すべきか、地元コミュニティから意見を募ったほか、連邦政府の主要な環境保全機関である内務省の国立公園局からもコメントを受領。2015年2月にEISの案文を発行した後、同年4月に同案に対する意見を地元コミュニティから改めて収集していた。